クラウドファンディング導入の目的とは?
(小規模)不動産特定共同事業を利用したクラウドファンディングは、
・新規投資家の集客
・不動産事業の資金調達
・社会貢献事業
などを目的として導入するケースがほとんどです。
クラウドファンディングは事業単体として見た場合、メリットはほぼないです。
クラウドファンディングで資金を集めた時、投資家へ還元する利回りは銀行からの融資金利よりも高いことが多いからです。
銀行からの融資を利用して不動産事業を行えるならば、あえてその事業をクラウドファンディング化するメリットはほとんどないのです。
しかしながら、クラウドファンディングを本業(売買仲介や買取再販)などと組み合わせると非常に強力なツールとして利用することができます。
クラウドファンディングを利用した集客
今回はクラウドファンディングを新規投資家の集客ツールとして利用したときのメリットを解説します。
メリットは大きく3つです。
①不動産投資に興味が無かった層へアプローチできる
②小さな成功体験を積み重ねることで顧客との信頼関係を形成できる
③自社のことをより知ってもらう機会を作ることが出来る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①不動産投資に興味が無かった層へアプローチできる
収益不動産を B to C で事業展開している不動産会社であれば、新規顧客の集客はほとんどポータルサイトに頼っていることが多いと思います。
しかしポータルサイトを見ている顧客は、「すでに不動産投資に興味がある・すでに行っている人」です。
このような顧客層を「顕在層(けんざいそう)」といいます。
一方、「不動産投資を知らない・興味がない人」の顧客層を「潜在層(せんざいそう)」といいます。
潜在層へ認知を高めるには、ポータルサイトではなく様々なメディア媒体(WEB、DM、新聞雑誌、テレビCM等)でアプローチする必要があり、さらにその広告費も高額になりやすいです。
クラウドファンディングはネット上で手軽にできることや、株式投資や投資信託のような感覚で始められることから、今まで不動産投資を知らなかった潜在層にも広く認知され、利用されやすくなっています。
一から自社で潜在層へ広告費を費やすよりも、流行のクラウドファンディングに乗じてアプローチした方が効果的に認知を高めることができます。
②小さな成功体験を積み重ねることで顧客との信頼関係を形成できる
誰しも、全く知らない中小不動産会社に問い合わせるのはとても勇気が要ることですし、心配や不安もあります。
不安を抱えた顧客に対して「弊社のことを知ってください!」と営業力で押し込むのは逆効果ですし、不評をかう原因にもなります。
クラウドファンディングは不動産投資に比べれば心理的なハードルは低いですし、少額から始めることができます。
それを活かしてまずは自社との繋がりを作ってもらい、しっかり利益を還元することで初めて顧客との間に信頼関係が生まれます。
クラウドファンディングで新規集客を行うだけでなく、自社を好きになって貰うために、丁寧さや商品の魅力をアピールしていくことが大事です。
③自社のことをより知ってもらう機会を作ることが出来る
クラウドファンディングシステムを導入することで、新規会員登録から顧客名簿を作成することができますが、なんの脈絡も無く本業の営業活動を行うことは絶対に止めた方がよいです。
せっかく興味を持って貰って会員登録して頂いたわけですから、まずは投資案件に出資してもらい、その利益を還元してからアプローチしたほうが自然な流れといえます。
顧客にとっては、出資すればその会社はどのような会社なのか、どんな商品を扱っているのかは知りたい情報なので、必然的に接触する頻度は高くなります。
その接触頻度の高さに合わせて、メールマガジンであったり、WEBサイトを見てもらうなどして、商品や自社への関心を高める機会を作ることが有効です。
まとめ
(小規模)不動産特定共同事業を利用したクラウドファンディングを導入する目的としては、事業単体の利益ではなく、潜在層の集客から自社との関係作りです。
クラウドファンディングによる小さな投資の成功体験を提供することで、本業の不動産投資への興味を高めてもらうことができます。
クラウドファンディングをスタート地点としたマーケティングルートを作っていきましょう。